一般社団法人 建築設備技術者協会主催の「第10回 カーボンニュートラル賞」を受賞いたしました。
・受賞業績名:福島県須賀川土木事務所 ふくしまZEBからカーボンニュートラルを実現する

須賀川土木事務所は、明治27年からの歴史を持っており、須賀川市を中心に近隣町村の道路や河川などの維持管理、災害復旧、除雪に関する業務を行っており、災害時には危機管理対応の業務を行う拠点施設となっています。

1階が鉄筋コンクリート造、2階が木造の混構造です。

1階は管理車両の駐車場や機械室、書庫になっており2階は執務室、会議室になっています。
2階の木造は在来軸組木造としており、CLTを有効に活用した構造になっています。

設備面では、省エネ建築のモデルケースとして、「Nearly ZEB」認証を取得したプロジェクトです。
本建築の⽴地条件・須賀川市の⼀年を通じた気候を勘案し、自然採光・自然通風・冬期の自然採熱を最大限に利⽤して快適な空間を実現できるような建築計画としています。その上で再生可能エネルギーである20kWの太陽光発電設備の導入、厳しい寒冷地でも高効率な空調が実現できる地中熱の採用、居住者の快適性と省エネ性を両立させた床吹き出し型、潜熱・顕熱分離空調及び在不在の検知等、⾼効率な設備・制御の導入を行っています。自然換気窓の開放を促したり、省エネ効果の見える化も行っており、職員の方も含めて省エネに取り組んでもらう工夫も行いました。

本建築がモデルケースとなり、福島県はじめ東北地方でも多くの施設がZEB及びカーボンニュートラル化を目指す足掛かりとなれば幸いです。計画から運用に至るまでご尽力いただきました関係者の皆様に御礼申し上げます。

【設計】
(統括・意匠)株式会社.土田建築設計事務所   飛木 佳奈、五十嵐 敬
(設備・構造)Arup  菅 健太郎、向井 一将、中村 建太、南 公人、竹内 翼